組織開発をモデリングして、タッチポイントごとの体験や改善施策をデータベース化する

組織開発をモデリングして、タッチポイントごとの体験や改善施策をデータベース化する

Clock Icon2021.12.03

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こんにちわ。てぃーびーです。

従業員体験(EX) の向上に向けて、組織開発を行っていく私達のチーム。これから各ポイントの従業員体験を順次改善していくにわけですが、従業体験の改善をうまいこと可視化しつつステークホルダーと協力していきたいと考えました。 私達のチームは開発バックグラウンドを持ったメンバーで構成されています。それならこの業務をまるっとモデリングして、 Notion のデータベースで管理可能にしよう、ということになりました。このモデルを「 Employee Lifecycle Model 」と呼んでいます。

Employee Lifecycle Model

完成したモデルについて一つずつ説明します。ちなみに以下のサンプルデータはまだサンプルで、実態をもとに記載したものではありません。

Touch Points

従業員が組織を認知し、選考参加し、入社〜オンボーディング〜活躍〜退職など様々な体験をしていく全体が従業員ライフサイクル(EL)です。そのライフサイクルの各ポイントで個別の体験をしていくわけですが、その各ポイントを Touch Pointと呼びます。 Touch Points には以下の属性をもたせました。

  • Touch Point - 該当のタッチポイントのイベントの名前
  • Touch Point Category - タッチポイントのイベントの分類
  • Employee Class - 従業員の区分。候補者, 従業員, 卒業生など
  • Status - タッチポイントのステータスです。Planning, Active, Obsolete など

以下は、 Notion で実際にサンプルデータを入れた様子です。

これは、カジュアル面談 案内 の Touch Point の詳細です。

Experiences

Experiences は各 Touch Point での従業員の体験です。 粒度としては Touch Point よりも細かく、一つの Touch Point で 1 〜 N の体験がありえます。 Experiences には以下の属性をもたせました。

  • Experience - 体験の名前
  • Touch Point - 対応する Touch Point
  • Success Rate - 現状体験の成功度を5段階で登録
  • Success Status - 成功度の可視化用。5段階が色別の Emoji で表される

以下は、 Notion で実際にサンプルデータを入れた様子です。

これは、 カジュアル面談の位置づけの理解 の Experience の詳細です。

詳細画面に、体験の Expected と Actual をまとめる形にしてあります。

Initiatives

Initiatives は各 Touch Point での従業員の体験を高めるための施策です。 1つの Initiative は 1 〜 N の体験に影響を与えます。

  • Initiative - 施策の名前
  • Touch Point - 対応する Touch Point
  • Experience - 対応する Experience

以下は、 Notion で実際にサンプルデータを入れた様子です。

これは、 Entrance Book の整備 の Experience の詳細です。

Initiative Verifications

Initiative Verifications は施策の検証条件です。 1つの Initiative は 1 〜 N の Initiative Verifications を持ちます。 1つの Initiative に関わる全ての Initiative Verifications が満たされていれば、施策が想定通りに実装されたことになります。

  • Initiative Verification - 検証の名前
  • Initiative - 対応する Initiative

以下は、 Notion で実際にサンプルデータを入れた様子です。

運用イメージ

  • 任意の Touch Point を登録します
    • 例えば「カジュアル面談 案内」
  • 任意の Touch Point に存在する Experiences を洗い出し、登録します
    • 例えば「カジュアル面談の位置づけの理解」「カジュアル面談の事前情報の把握」
  • 各体験の現状を調査し、結果を各 Experience のページに記載します
  • 各体験の理想はどうあるべきか、関係者で話し合い、結果を各 Experience のページに記載します
  • 理想と現実のギャップを解消するための施策を Initiatives に登録します
    • 例えば「Entrance Book の整備」
  • 作成した Initiative の検証条件を Initiative Verifications にすべて登録します
    • 例えば「Entrance Book が Notion で作成されていること」「すべての候補者さんに共有したい組織情報が過不足なくまとまっていること」など
  • 実際に施策を実装し、 Initiative Verifications をすべて満たし、完成させます
  • 完成した施策を運用し、 改善対象の Experience の理想を満たしたかどうか確認します
  • 満たせなかった理想が残っている場合は、以下のような対応が考えられます
    • 該当の施策への試行錯誤でさらなる改善をする
    • 新たな施策を立ち上げる
    • 一定ラインまで理想を満たしたら良しとして別の Experience の改善に着手する

Employee Lifecycle Model に期待する効果

  • 個別のタッチポイント、体験、施策に関する情報やステータスが可視化され、チーム内で現状把握しやすくなる
    • タッチポイントの網羅率が増えてくると、従業員ライフサイクルのどのあたりが弱いのかも見分けやすくなる
  • ステークホルダーに対して情報を共有しやすくなる
  • 問題の依存関係や、真因分析の元ネタになる

まとめ

箱はできたので、今後施策を改善する流れで中身を充実させつつ、改善をおしすすめていきます。 おそらく、多くの情報はクラスメソッド固有のものではなく、大多数の会社にとって似たような必要性を持つ体験になりそうな予感がしています。 その意味で、このデータを半年・1年と運用しつつ体験を改善し続けたあとに更に大きな知見を共有できるのでは、と期待しています。

関連資料

Employee Experience(EX)とその全体像。EX診断つき

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